むし歯の治療
人間の口の中には無数のむし歯の原因菌が潜んでいます。これは何か食べ物を食べた時に菌と糖により酸を生み出します。この酸によって歯は溶け出します。この溶けることを「脱灰」といいます。この溶けたものを元に戻す働きをするものが唾液です。そして、元に戻る事を「再石灰化」といいます。さらに、再石灰化を向上させるのがフッ素です。フッ素は再石灰化を向上させるとともに、歯の結晶構造を硬くするという働きもあります。初期のむし歯にはレーザーを照射し、その後フッ素を塗布すると効果が大きいといわれています。
削らないむし歯治療
これまでのむし歯の治療は「早期発見、早期治療」という考え方で行なわれてきました。近年、カリオロジーという概念が 30年以上前から北欧で研究され、初期のむし歯は適切な診断、予防、処置、管理により、削って詰めることなく健全歯に戻る可能性があるという考え方です。2000年にこのカリオロジーを実践するための具体的な方法として「ミニマムインターベンション」という言葉が提唱されました。具体的には、むし歯のできるメカニズムを理解した上で、それに基づいて正しい診断から治療計画を立て、できるだけ歯を削ることを最小限におさえたむし歯治療を行い、患者様とコミュニケーションを取りながら、歯の健康のためにリスク管理を進めていくというものです。これまでのむし歯の検査は、初期のむし歯は目で見る視診と探針という器具を用いて調べる触診で検査をしていました。この方法では、どうしても“かん”に頼らざるを得ないところがあり正確さに欠けてしまいます。歯の溝が黒くなっているとむし歯と診断され削る事になりますが、実際は着色や汚れの場合も考えられます。白あるいは薄茶色でも虫歯になっていることもあります。そこで正しい診断ができるレーザー光にて虫歯の進行度を計る機器が登場しました。
【diagnodent】
赤色レーザー光を歯に照射し反射する光の蛍光分析をしてむし歯の診断が行なえる診断機器です。
ダイアグノデントによる測定値とむし歯治療の方法
数値 |
むし歯の進行度 |
治療方法 |
0〜10 |
健全歯 |
定期検診 |
11〜20 |
C0 |
観察及びフッ素塗布( +レーザー) |
21〜50 |
C1 |
観察及びフッ素塗布( +レーザー)、シーラント |
51〜99 |
C2 |
シーラント・充填(詰めること)
むし歯が神経に近い場合(C3)は3MIX-MP法があり、神経をとらずにすむことも可能です。 |
※これらの治療方法には適応症があり、その範囲外の場合には他の治療方法となることもあります。
フッ素塗布
フッ素は歯の質を強くする自然元素のひとつです。フッ素を歯に塗布する事により、歯のエナメル質が強くなり、むし歯菌に負けない歯になります。レーザーを照射してから塗布するとより効果的です。
シーラント
歯の溝をむし歯になる前にフッ素を放出するお薬で埋めてしまう簡単な方法です。特に溝が深い 5・6歳児の奥歯などに効果的です。歯を削らずにすみます。
3mix-mp法
3種類の抗菌剤を混合した薬品を虫歯に詰めて、虫歯菌を殺す方法です。C2〜初期のC3の虫歯の場合に適応で、虫歯を削る部分は必要最小限にとどめ神経を残す方法です。
〔重度のむし歯の治療
〕
根管治療とは…?
むし歯がc3・c4まで進行した場合
昔は重度に進んだむし歯の場合は、歯を抜くしかありませんでしたが、歯科医療の進んだ現在、歯を抜かずに治療する根管治療(歯内療法)が行なわれています。
神経を抜いた歯を細いヤスリで広げ、消毒・清掃し歯を残す方法です。歯の根の根元まできれいに清掃しなければなりません。どんなに立派な歯を入れても、この治療が不完全ですと数年後に、また、再治療の危険性が起こります。完璧な治療をするためには高度な技術と時間が必要です。
治療の方法と期間
1.抜髄
 |
むし歯が歯髄まで進行
膿がたまっています |
むし歯が歯髄(神経)まで進行。炎症がおき、激しい痛みにおそわれます。歯髄が生きている場合は麻酔をして取り除きます。
通院回数 1回程度
2.根管治療
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| 根管治療をはじめます |
死んでしまった歯髄や汚染された象牙質をとり、歯根管の中を拡大して清掃、消毒します。
通院回数 約1〜3回程度
3.根管充填
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| 根管充填をします |
清掃消毒された歯根管のなかの空洞を封鎖して歯周組織への感染を防ぎ、歯根尖にできていた病気を治し、歯の機能を維持させます。
通院回数 約1回程度
※通院回数は症状や歯根の形と数により、また個人差もありますが、一般に前歯は少なく、奥歯は根の管が3本も4本もあり複雑なためそれだけ多くかかります。
また、以前に治療された歯の再治療は多めにかかります。